軽トラのキッチンカーでFRPを使用するときのメリットとデメリットとは
新型コロナウイルス感染症などの影響で、テイクアウト商品の需要が高まっています。このような流れの中で、移動が可能なキッチンカーでテイクアウト販売を新しく始めたいと思っている人も多いでしょう。
キッチンカーは、レストランなどの固定店舗を構えるより初期費用が少なくて済みます。また、野外イベント会場やオフィス街など、ニーズのあるところに移動できるため集客がしやすいのがメリットです。
キッチンカーを調達したいと思っている人の中には、キッチンカーに使われるFRPという素材について聞いたことがある人もいるでしょう。軽トラをFRP素材のシェルによって架装する場合もあります。
そこで今回は、FRPの特徴や、軽トラのキッチンカーでFRPを使用する際のメリットやデメリットについてご紹介します。キッチンカー選びのご参考にしてみてください。
目次
そもそもFRPとは?
FRPは、炭素繊維やガラス繊維などの繊維素材をプラスチックの中に混ぜて強度を高めた「繊維強化プラスチック」のことを指します。繊維強化プラスチックは英語で「Fiber-Reinforced Plastics」と呼ばれるため、日本でも略して「FRP」と呼ばれることが多いでしょう。
繊維素材が混合されることで強度が高く、金属などの材料と比べて非常に軽い素材です。このため、飛行機や車、鉄道車両、ボートなどの乗り物やバスルーム、テーマパークや楽器など、身近なものに幅広く活用されています。
現在は日々の生活になくてはならない素材となっていますが、FRPが初めて開発されたのは20世紀に入ってからのことです。アメリカで海軍の救命ボートの製作に使われたのが、初めてFRPが実用化されたケースと考えられています。この後、ヨーロッパ各地に広まり、モーターボートや自動車産業など幅広い分野で活用されるようになりました。
FRPの特徴
材料力学において、材料の変形のしにくさを表す値として「弾性率」があります。弾性率が大きいと物質は硬く変形しにくく、反対に弾性率が小さいと柔らかく変形しやすくなっています。FRPは弾性率の低いプラスチック素材に弾性率の高い繊維を混ぜて作られるため、軽くて変形しにくいプラスチック素材です。耐久性が高いため、乗り物や住居などに安全に配慮が必要な条件でも使用できます。
また、耐食性にも優れているため、金属に比べて腐食しにくいのも特徴です。水による腐食や塩害の影響を受けにくい素材なので、屋外や水にさらされる環境でも活用されています。
プラスチックの特性として、加工や着色において自由度が高い点もポイントです。FRPを使って製作する場合は、デザイン性や利便性が高まるでしょう。さらに、強度の強い素材ではありますが、機材があれば切断や穴あけ加工などがしやすいので、設置などの施工が簡単です。
ただし、プラスチックなので紫外線に弱い点には注意が必要です。屋外の紫外線が当たりやすい場所に放置しておくと、紫外線による劣化で耐食性が劣ってしまう場合があります。劣化を防ぐためには、トップコートを塗布して紫外線対策をする方法などがあります。
軽トラでFRPを使用するメリットとデメリット
ここでは、軽トラでFRPを使用するメリットとデメリットをご紹介します。
メリット
軽いので建物への負担が少ない、防水性能、他など。
軽トラの架装を1から自分で行うには、ホームセンターなどで材料や道具を調達して製作する方法があります。費用が安く済み、設計から製作まで自分の好きなように行えるのは便利です。しかし、仕上がりまでに時間がかかってしまう場合があるでしょう。
そこで使えるのがFRPを使用した軽キッチンカーを購入する方法です。FRPは軽量で強い素材なので、ベース車両にかかる負担が少ないという利点があります。自分でDIYをして組み立てるより強固な造りになっており、安全面においても安心して利用できるでしょう。
FRP素材のシェルは防水性能や耐食性の面でも優れており、使い勝手のよさを実感できるでしょう。素材の耐久性が良いため、一度架装したら長い間愛用できるのも便利です。余分なメンテナンスコストや手間をかけずに、安心して軽トラをキッチンカーとして活用していけるでしょう。
デメリット
FRP素材を使った架装のデメリットは、長期間紫外線にさらされるとひび割れなどの劣化が起こりやすいという点です。また、FRPの加工は手作業によって行われることが多く、完成品が一律でないことがあります。
さらに、プラスチックと繊維素材を混合して作っているため、素材を分離しにくくリサイクルが困難な点も挙げられるでしょう。廃棄処分も難しく、環境保全の観点からすると理想的な素材ではありません。
FRP製のキッチンカー内部はカスタマイズ可能
FRP製のキッチンカーを作る場合、内部の設備はカスタマイズして使うことができます。キッチンカーの標準装備には、販売用カウンター、照明、換気扇、シンク、コンセントの差込口、給水・排水タンクなどがあるでしょう。また、保健所での営業申請に必要とされる設備は必ず準備しておく必要があります。保健所でチェックされる項目や設備の条件、仕込み場所の定義などを、事前に保健所で確認しておきましょう。
さらに、キッチンカーで販売する商品によって必要な設備は異なります。食材をストックしておく冷蔵庫や冷凍庫、梱包材を入れる棚、コンロなど、調理するものに合わせて仕様をカスタマイズします。キッチンカー内部はスペースが限られているため、自分が調理しやすいレイアウトにすることも重要です。ピーク時にもスムーズに調理や接客ができるように工夫しましょう。自分一人で調理・接客を行うのか、2人で営業するのかなど、キッチンカー内部で働く人数によっても最適なレイアウトが異なります。
軽トラのキッチンカーの天井はFRP製がおすすめ
軽トラのキッチンカーの天井は、アルミ製のものよりFRP素材を使用したものがおすすめです。アルミ製の四角い形状をした天井はデザイン面などで人気ですが、高速道路などの移動中に風の影響を受けやすくなります。また、アルミはプラスチックに比べて重くなるため、車体が重くなり燃費にも影響を及ぼすでしょう。
これに対して丸い形状のFRP天井は、風の影響を最小限に抑えてくれます。FRP素材は軽いため、車体が必要以上に重くならずに済むでしょう。車検などで天井部分を撤去する際も、軽量なので数人で協力すれば取り外すことができます。
キッチンカーを専門に扱うティアラでは、軽トラのキッチンカーの製作販売を取り扱っています。製作販売では、お客様のご要望を丁寧にヒアリングし製作いたします。未経験からキッチンカーで開業する人でも安心して利用できるでしょう。
ティアラのキッチンカーレンタルでは、給排水設備が標準装備されたキッチンカーを用意しているため、余計なコストや手間をかけず出店することができます。納車から引き取りまで一貫して対応しておりますので、メニューの考案やチラシの準備などお店の準備に集中できるでしょう。
将来軽トラを架装してキッチンカーを実現したいと思っている人は、まずはティアラの軽キッチンカー営業を試してみてはいかがでしょうか。