キッチンカー・移動販売車　仕込み場所

保健所から営業許可を申請する場合、『仕込み場所が確保されていること』という条件があります。

『仕込み場所』とはいったいどのようなところなのでしょう。

『仕込み場所』をどう確保すればいいのでしょう。

ここでは、仕込み場所についてご紹介いたします。

仕込み場所とは

「仕込み」とは、材料を洗ったり、肉や魚、野菜などの材料を切ったり、混ぜたり、肉などに下味をつける調理工程のことです。

その仕込みをおこなう施設のことを「仕込み場所」といいます。材料を切ったり、混ぜたりすることは食中毒を発生させる菌が付着、繁殖する可能性があります。そのため衛生管理が徹底した営業許可証を取得している設備の整った施設でおこなう必要があります。

基本的に、キッチンカー・移動販売車の車内では、仕込みを行うことは許可されていません。設備が不十分で衛生管理が万全とは言い切れないからです。

各自治体の保健所によって、仕込みの範囲、仕込み場所の基準などは異なりますので、管轄の保健所に相談することをおすすめします。

自宅は仕込み場所として使用できない

キッチンカー・移動販売車で販売する商品を調理するための仕込みを、自宅の日常で使用しているキッチンでは使用できません。なかには、自宅のキッチンを仕込み場所として認めている保健所もありますが、自宅のキッチンを仕込み場所としたい場合は、日常で使用しているキッチンとは別に新たに専用キッチンを確保する必要があります。

仕込み場所を確保するには

店舗や部屋を借りて仕込み場所を確保する

自宅とは別に、店舗や部屋を借りて仕込み場所を確保する方法です。この仕込み場所についても営業許可証を取得する必要があります。そのために設備を整える必要があり改装費がかかることもあります。

また、家賃や改装費などの負担が大きい場合、キッチンカー・移動販売車仲間と共同で仕込み場所をシェアすることもできます。

そしてこの仕込み場所を小規模な店舗として営業することも可能です。その場合ひとりでまかなうのは時間的にも体力的にも厳しいかもしれませんが、将来的に店舗を持ちたいとお考えの方には選択肢のひとつではないでしょうか。

知人の飲食店の厨房スペースを借りて仕込み場所を確保する

知人の飲食店の厨房スペースを借りて仕込み場所を確保する方法です。この場合、すでに飲食店として営業許可証を取得しているので問題なく使用できます。しかし取得している営業許可証の種類に注意しなければいけません。

そして、その飲食店の営業に悪い影響を与えてしまうことのないようにしましょう。例えば、食中毒事故を起こしてしまった場合、その飲食店にも営業停止などの処分がかかるので細心の注意を払いましょう。また、その飲食店の営業時間外や空いている時間帯に借りるなどの配慮も必要です。

仕込み場所シェアサービスを利用して確保する

仕込み場所シェアサービスに登録して確保する方法です。会員登録制で、月会費や使用料が発生しますが、営業許可証などの問題もなく使用できます。

仕込み場所でできること

キッチンカー・移動販売車の車内では、パフォーマンスとなる最後の調理工程だけになるように、テンポよく、出来立てをお客様に提供することが大切です。

席に座って出来上がりを待つ店舗と違い、お客様を立って待たせてしまうのがキッチンカー・移動販売車の販売です。そのため、お客様を待たせる時間は最小限で済むように、仕込み場所で8割9割の調理工程を済ませておくと、効率も良く回転率も上がります。

まとめ

仕込み場所は「材料を混ぜる」・「食材を切る」「肉に下味をつける」という異物混入や食中毒の発生源になりやすい作業をする場所です。そのため、キッチンカー・移動販売車の車内と同様に衛生管理をしっかりと徹底しないといけません。

また、あらかじめカットされている野菜・肉・魚などの冷凍食品、缶詰など加工済みの食材を使用すれば、仕込みの工程を省くことができ、食品事故の防止にもつながるでしょう。

ここまで、キッチンカー・移動販売車の仕込み場所についてご紹介いたしました。    

各自治体の保健所によって仕込みの概念や仕込み場所の条件などが異なる場合があります。衛生に関わる大切なことですので、管轄している保健所に一度相談して確認してみましょう。