キッチンカーの開業に役立つ補助金・助成金を解説

キッチンカーの開業には車の購入費や設備費などさまざまな経費が必要です。貯金を崩したり、融資を受けたりする方が多いでしょう。

しかし開業時には補助金や助成金の活用がおすすめです。

ビジネスチャットを提供する企業が2020年にユーザーへ行った調査 によると、9割が助成金を知っているにもかかわらず、実際に申請したと答えたのは2割ほどでした。

補助金や助成金は融資とは違い、返済の必要がないので活用しない手はありません。開業時の大きな手助けとなるでしょう。

この記事ではキッチンカーの開業時に知っておきたい、役立つ補助金・助成金をご紹介します。

キッチンカーの開業に役立つ補助金・助成金

国や自治体による補助金・助成金は複数ありますが、ここでは代表的なものの補助金額や条件などを解説します。

ものづくり補助金 (ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金)

経営革新を行う中小企業は、最高1,000万円または3,000万円の補助が受けられる制度です。

● 対象事業者:日本国内に本社及び実施場所を有する中小企業者および特定非営利活動法人で、その他公募要領を満たすもの
● 補助金額:最大1,000万円もしくは3,000万円
● 補助率:1/2もしくは2/3
● 対象経費:機械装置・システム構築費、運搬費、技術導入費、知的財産権等関連経費、外注費、専門家経費、クラウドサービス利用費、原材料費
● 募集期間:通年で公募(3ヶ月おきに締切)
● 申請書類:事業計画書、賃金引上げ計画の表明書、決算書等、その他加点に必要な資料(任意)

※補助率とは補助金の対象となる割合。例えば補助率1/2であれば対象経費の半額の補助金を受けられる。

ものづくり補助金は、基本的に設備投資が対象経費となっています

ただし交付決定日から10か月以内に、発注・納入・検収・支払など全ての手続きを完了させる必要があります。

審査は13項目あり、技術面・事業化面・政策面の3点から吟味されるので、事業内容を明確にしておきましょう。

地域雇用開発助成金

厚生労働省が指定する地域で、新しく雇用すると受給できます

過疎地域や離島など雇用機会が少ないエリアでの開業者が対象で、雇用する労働者の数や設置・整備にかかった費用により、50万円~800万円までの支援が受けられます。

● 対象事業者:対象地域の事業所施設・設備の設置・整備、地域に居住する求職者の雇い入れに関する計画書を労働局長に提出するなど、詳しくはこちら
● 補助金額:50万円~800万円(施設・設備費用や雇用人数により変動)
● 対象経費:1回20万円以上の支払いかつ総額300万円以上の経費
● 募集期間:通年
● 申請書類:計画書の提出、計画の実行、完了届を提出

1年に1度申請でき、最大3回まで支給申請できるのが大きな特徴です。

また1回目の支給は中小企業事業主であれば、支給額の1/2相当額が上乗せされます。新規創業であれば、さらに+αで支給されます。(支給額によって異なる)

対象地域は限定されますが、新規開業に役立つ助成金です。

キッチンカー開業に利用できるコロナ関連の補助金

コロナ禍の影響でさまざまな補助金が、国や地方自治体、商工会議所などから創設されています。

小規模事業者持続化補助金

小規模事業者と特定非営利活動法人が対象。事業の継続や発展にかかった費用の2/3(上限50万円)が受け取れます

● 対象事業者:小規模事業者や一定要件を満たす特定非営利活動法人など公募要領を満たすもの
● 補助金額:費用の2/3(上限50万円)
● 補助率:2/3
● 対象経費:機械装置等経費、広報費、展示会等出展費、旅費、開発費、資料購入費、雑役務費、借料、専門家謝金、専門家旅費、設備処分費、委託費、外注費
● 募集期間:第6回受付締切(2021年10月1日)、第7回受付締切(2022年2月4日)第8回受付締切以降(未発表) ※2021年7月現在
● 申請書類:申請書、事業計画書、事業支援計画書、補助金交付申請書など

一般型とコロナ特別対応型の2パターンあり、後者は上限額100万円(補助率3/4)です。またコロナ特別対応型は感染防止対策費も対象経費に加わります。

申請者によって必要書類が異なるため要注意です。

一般型とコロナ特別対応型は併用できないので、自社にマッチする方を選択しましょう。

事業再構築補助金

新型コロナの影響により新分野展開や事業転換、業種転換、事業再編など、思い切った事業再構築に意欲的な企業への支援が目的です

複数の枠があり、補助額100万円~1億円と大規模な制度です。

● 対象事業者:新分野展開、業態転換、事業・業種転換、事業再編に取り組む、2020年10月以降に売上が減少している法人・個人事業主など、主要申請要件を満たすもの
● 補助金額:100万円~1億円
● 補助率:1/3~2/3以内
● 対象経費:建物費、機械装置・システム構築費(リース含む)、クラウドサービス利用費、運搬費、技術導入費、知的財産権等関連経費、外注費、専門家経費、広告宣伝費・販売促進費、研修費
● 募集期間:第2回公募後さらに3回ほど公募予定。第3回公募は7月下旬開始予定 ※2021年7月現在
● 申請書類:事業計画書、コロナ前後で売上高減少を証明する書類(確定申告書の控えなど)、決算書など 詳しくはこちら

対象外経費として「公道を走る車両」があるため、キッチンカーの車両自体は当てはまらないものの、搭載する機材の購入費や広告宣伝費などは該当します

地方自治体ごとのキッチンカーへの補助金・助成金

国だけではなく各地方自治体からも、独自の補助金や助成金が用意されています。

例えば東京都の創業助成事業では、都内で創業を計画している個人もしくは創業5年未満の中小企業者は、100万円~300万円の補助金を受け取れます。

他にも兵庫県神戸市ではキッチンカーに特化した支援事業「KOBE STAR KITCHEN」が実施されており、39歳以下の若者は最大で100万円の補助を受給可能です。

毎年最大5名までが対象(神戸市在住者が優先)で、出店場所の提供や営業に必要な経営ノウハウの伝授や、広報活動の支援といったサポートも受けられます。

福岡県 や群馬県 でも、キッチンカーに特化した補助金が過去に出されていました。今後も各都道府県で新たに公募される可能性があるので、出店予定地で補助金・助成金がないか確認しましょう。

補助金・助成金を調べる方法

補助金・助成金は開業の大きな助けになりますが、申請が必要なため知らなければ恩恵を受けられません。まずは知ることが大切です。

とはいえ補助金を調べるのはひと苦労。中小企業庁の運営するミラサポplus や企業運営の補助金ポータルサイト などの活用がおすすめです

都道府県や事業名などで検索できるので、補助金・助成金を見つけやすくなるでしょう。

キッチンカーの購入にかかる費用は?

キッチンカーを購入するには約250~500万円ほど必要です。車種やサイズ、新車・中古車によって左右されます。

貯金を崩したり融資を受けたりするよりも、補助金を活用すればリスクを抑えながら開業できるので大きなメリットです。

またキッチンカーを新規開業する場合は、購入ではなくレンタルという選択肢もあります。低コストでキッチンカーを始めたい方は、ぜひレンタルも検討してみてください。

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