キッチンカー・移動販売車の電源確保

キッチンカー・移動販売車では、照明、換気扇、冷蔵庫・冷凍庫、そして、トースター、エスプレッソマシーン、炊飯器、ケトル、IH調理器、ホットショーケース、音響設備など電源を必要とするものがいろいろあります

キッチンカー・移動販売車の電源確保はどうすればいいのだろう・・・と疑問、不安に思っていませんか?
ここでは、キッチンカー・移動販売車の電源確保についてご紹介いたします

電源確保の基本は、『出店先での現地調達』

キッチンカー・移動販売車での営業で、まず必要になるのは電源です。出店先に電源があるかないかをまず確認する必要があります。キッチンカー・移動販売車での電源確保の基本は、『出店先での現地調達』だからです。イベントなどでは、出店先(主催者側など)に1日いくらと電気代を支払う場合や、もともと最初から出店料に電気代が含まれている場合もあります。

 現地調達ができる場合、出店先の電源をキッチンカー・移動販売車に取り込むために「外部電源コネクター」がついていれば、出店先の電源とキッチンカー・移動販売車を屋外用のドラムリールでつなぎ、キッチンカー・移動販売車の車内のコンセントがご家庭と同じように使えるようになります。延長コードでも十分ですが、屋外であるため屋外用のドラムリールのほうが安心です。

 出店先の電源を取るところがキッチンカー・移動販売車と離れているところもあるので、長い屋外用のドラムリールを常備することをおすすめします。

 また、もしキッチンカー・移動販売車に「外部電源コネクター」がついていなくても、屋外用のドラムリールを利用すれば問題ありません。しかし、不便を感じるようであれば、「外部電源コネクター」の後付けも可能なのでキッチンカー・移動販売車を購入したところに相談してみてもいいかもしれません。

発電機を購入する。

 次は、ご自身で発電機を購入して電源を確保する方法についてです。

 先にお話した通り、電源確保の基本は『出店先での現地調達』ですが、すべての出店先で電源を借りられるわけではありません。

 電源の確保を現地調達できない場合は、ご自身で発電機を購入して持っていれば安心です。発電機を所有していれば、現地調達の有無に左右されずいつでもどこでも出店できます。

 ここでは、発電機を購入する際注意する点をいくつかあげておきます。

・使用する合計電力量以上の発電容量の発電機を選ぶこと。

 キッチンカー・移動販売車での営業では、メニューによって使用する電気調理器はさまざまです。

 例えば、カフェ店ではエスプレッソマシーンやトースター、ケトルなど瞬間的に多くの電力が必要になる電気調理器を使用します。それに加えて照明、冷蔵庫、換気扇、レジ、音響機器などの電気機器も必要です。それらの電気機器の合計電気量をまかなえる発電容量がないと安定して営業ができなくなってしまいます。

 電源のトラブルで営業がストップしてしまうのは、限られた営業時間内では困りますね。

 そのため、ご自身が販売されるメニューに合わせて使用する電気調理器と設備に必要となる電気機器の合計電気量を概算で出し、余裕のある発電容量の発電機を購入することをおすすめします。

インバーター式の発電機を選ぶこと

 発電機には、インバーター式、サイクロンインバーター、スタンダードと種類があります。

 インバーターとは、「周波数を整え出力を安定させる装置」です。インバーターを搭載していないと安定した出力ができないので、パソコンなどの精密機器や、充電器・無線機などのマイコン制御の電気機器などには使えません。

 そのことから、安定した出力を送れることができるインバーター式の発電機がおすすめです。安定した出力の発電機であれば、キッチンカー・移動販売車での調理機器の使用も安定して使えます。調理が安定してできれば、販売も安定し営業できます。

 インバーター式の発電機の価格は、容量の大きさによって変わりますが、8~15万前後と高額です。しかし、静かで、軽量、省燃費というメリットがあるので、せっかく購入するのであればインバーター式の発電機をおすすめします。

 また、少しでも安く抑えたいと無名のインバーター式発電機を購入してしまうと、かえって高い買い物になってしまう(壊れやすい、修理、買い替えなど)ので、ある程度有名なメーカーの方が安心です。

発電機は、安いものではありませんので、購入の際には専門店の方によく相談していただくことをおすすめします。

 そして、発電機も自動車と同じように、定期的なメンテナンスをきちんとしておくことで寿命も長持ちします。

 また、各メーカー、静かで、軽量の発電機を出していますが、ガソリンなどを使用するのでにおいや騒音、女性には取り扱いが難しいデメリットがあります。     

ポータブル電源で電源を確保する。

 3つ目の方法はポータブル電源で電源を確保する方法です。

 ポータブル電源は、本体に内蔵されたバッテリーに電気を蓄えて給電するものです。スマートフォンなどに利用するモバイルバッテリーの大容量版というイメージで考えていただくとわかりやすいでしょう。ご自宅や、ソーラーパネル、自動車のシガーソケットから充電するもので、充電さえしておけばどこでも手軽に電源を確保できます。発電機のような騒音やガソリンなどのにおいの心配もありませんが、使用していなくても自然放電しているので、余裕のある容量のサイズを用意したほうがいいでしょう。

 種類は各メーカー、小容量のものから大容量のものまで出しているので、キッチンカー・移動販売車で使用する電気機器の合計電気量に見合う容量のものを選んでください。小容量のものは重量も軽く持ち運びに便利で価格も手頃ですが、定格出力は300W以下が多く、エスプレッソマシーンや電気ケトルなど瞬間的に容量の大きい調理器などには使えません。その場合は、容量が1500W以上の大容量のポータブル電源を用意する必要があります。大容量のものは重量も重く、価格も高くなります。

 AC出力(ACコンセント)を備えているものが多いですが、2口以上ついているものが便利です。

 走行中も冷蔵庫や冷凍庫を稼働させたいという方、水道ポンプ用には、ポータブル電源はおすすめです。

 また、出店していない時や自宅にいる時など冷蔵庫・冷凍庫を稼働させておきたい場合は、キッチンカー・移動販売車をご自宅または駐車場で電源をつなげておく必要があるでしょう。ご自宅から電源を引くことが難しい場合には、ポータブル電源で電源を確保する方法もあります。

車のバッテリーにインバーターをつなげて電源を確保する。

 最後にインバーターを購入して、車のバッテリーにつなげて電源を確保する方法です。

 しかし、この方法は車のエンジンをかけたままにするので、エンジンに負荷がかかる・マフラー付近が排気ガスくさくなるなどのデメリットがあります。

 開業初めには、設備費用や準備費用などがかかります。そのため、発電機やポータブル電源を購入するまでや、現地調達がどうしてもできない場合だけなどと限定的に利用する方法かもしれません。

まとめ

 電源確保の方法は現地調達が基本ですが、発電機やポータブル電源を所有していれば出店の機会も広がります。開業と同時に購入が難しいなどもあると思いますが、長い目で見れば購入を検討するのも選択肢の一つではないでしょうか。

 また、電気の調理器具だけではなく、ガス調理やカセットコンロで代用し電気の使用を最小限に抑える方法もあわせて考えていく必要もあるでしょう。

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