キッチンカー・移動販売車にかかる必要経費
キッチンカー・移動販売車の営業は、実店舗営業よりも少ない資金で開業ができ、お客様のいるところへ移動して営業ができるというメリットがあります。では実際にかかる経費にはどんなものがあるのでしょうか。
ここでは、キッチンカー・移動販売車の営業でかかる必要経費についてご紹介いたします。
なお、勘定科目について明確な規定は特にありません。しかし、一度勘定科目を決めたらその内容についての科目は継続して使用することが重要です。こちらで上げている勘定科目については、例としてお考えください。
キッチンカー・移動販売車にかかる費用
車両費 | ガソリン代・車検費用・車両点検費用・車両修理費用・自動車保険料・自動車税など |
旅費交通費 | 高速道路料金・コインパーキングなど |
地代家賃 | 月極駐車場・仕込み場所家賃など |
・自動車保険や自動車税は、車両費としてまとめるとわかりやすいですが、それぞれ損害保険料や租税公課に分けることもあります。また、車両の修理費用は修繕費という場合もあります。
・自宅の敷地内などにキッチンカー・移動販売車の駐車スペースがないなど月極で駐車場を借りている場合と、食材仕入れなどで利用したコインパーキングの場合は勘定科目が違います。
集客のためにかかる費用
広告宣伝費 | ホームページ制作・チラシ作成・看板製作・のぼり製作など |
通信費 | 携帯電話 |
・ホームページ制作、チラシ作成、看板製作などは専門業者に依頼すると高額になることもあります。経費削減のためには、手作りの物や無料ブログ、SNSなどを利用することもおすすめいたします。
営業するためにかかる費用
仕入 | 食材、材料の仕入れ |
消耗品費 | 商品を包む紙やパックなどの包装材・手提げ袋・キッチンペーパー・文房具など |
減価償却費 | 取得価格が10万円以上のパソコン、発電機、調理器具、移動販売車など |
水道光熱費 | 水道料金・プロパンガス |
支払手数料 | 出店料・営業許可証申請手数料(新規・更新) |
諸会費 | 商工会会費・協会会費など |
研修費 | 食品衛生責任者講習会参加費・実務講習会などセミナー参加費 |
損害保険料 | PL保険料・施設賠償責任保険料など |
衛生管理費 | 腸内細菌検査料・アルコール消毒液など |
・食材や材料の仕入れについては、複数の業者から見積もりをとることや定期的に業者を選定することなどもコストダウンにつながります。
また、メニューごとに原価率を決めて、「この商品にどのくらいの材料を使うのか」と基準を決めておくと、食材の使い過ぎを防げるので余計な仕入れをしないすみます。
- ・取得価格が10万円未満の物品又は使用期間が1年未満の什器備品などは『消耗品費』として計上します。
- 取得価格が10万円以上でなおかつ使用期間が1年以上の物品は資産として『減価償却費』と区別しています。
減価償却とは、数年にわたって使用するため、翌年以降もその価値は発生します。購入した年に全額を計上はしないで、耐用年数によって少しずつ計上するものです。
・出店料は、広告宣伝費や販売促進費として計上することもあります。
・腸内細菌検査料は各都道府県の食品衛生協会など民間の検査機関で検査を受けることができます。イベントによっては検査結果を提出する必要がある場合がありますので、定期的に検査を受けておくといいでしょう。
・食品衛生責任者の資格は一度取得すれば更新などの手続きは特にありません。しかしフォローアップのために実務講習を受ける必要がある保健所もあります。
まとめ
キッチンカー・移動販売車では、お客様の支払いは主に現金です。現金のやり取りは一見かんたんそうに見えますが、売り上げの履歴を管理しておかないと、後々確定申告漏れなどで税務調査の恐れもあります。
書面やレジシステムなどを利用して、きちんとした形で記録を残すようにしましょう。 記録した数字を分析すれば、売り上げの傾向や、無駄な経費を見つけることもでき、収益改善のポイントが見えるようになるでしょう。
売り上げが上がらなければ利益を得ることはできません。しかし、売り上げが上がってもコストがそれ以上にかかってしまえば利益は出ません。経営は赤字になってしまいます。 そのためには『売り上げ』と『コスト』のバランスをとる必要があります。
日頃からかかる費用について、売り上げの何パーセントを占めているのか、どのくらいに抑えれば利益増加につながるのかを計算し、改善するべきところ、無駄なところをなくし、コスト削減・節約に努めましょう。 必要経費がどのくらいかかっているのかを把握することが大切です。