キッチンカーの電気はどうする？ 電源の取り方や注意点を紹介

人気のキッチンカーでの出店を予定している方なら、準備段階で電気の仕組みについて知っておく必要があります。食品を扱うキッチンカーは、食材を保管するための冷蔵庫や保温庫などに電源を確保しておかなければなりません。

この記事では、キッチンカーの電源には複数の選択肢があること、それぞれの電源の特徴や注意点について紹介します。キッチンカーの電気で分からない点がある方はぜひ参考にしてください。

キッチンカーの電気について

キッチンカーは、開店している間だけでなく食材を衛生的に保管するために冷蔵庫などの冷蔵設備が必要です。また、保健所の設備検査の際には電源などについても確認されます。キッチンカーの準備段階から電源の確保をしておきましょう。

電源が必要な機器は？

キッチンカーで営業するために電源が必要な機器をチェックしておきましょう。主な機器には、食品の冷蔵に必要な冷蔵庫をはじめ、換気扇や電気調理器具があります。給水排水ポンプも電気で作動するほか、照明器具にも電源は必要です。営業中にBGMを流すのであれば音響設備も使うことになります。キッチンカーで提供する商品によっても必要な機器は異なるので、事前に確認しておきましょう。電源が必要なものは意外に多いため、準備段階の大切なポイントです。

電源を確保する方法とは

キッチンカーの電源を確保するには、出店場所の電源を借りるという方法があります。出店場所に電源がない場合は発電機を使用するか、走行充電器で自家発電することが必要です。ポータブル電源は導入費用を抑えることが可能ですが、使える電力量は少なくなってしまいます。電源ごとにメリットやデメリットがあるので、ニーズに応じて選ぶようにしましょう。以下でそれぞれの電源の特徴やデメリット、注意点を解説しておりますので、参考にしてみてください。

営業場所で電源を借りる

キッチンカーの電源は、営業先で借りるのが基本です。移動販売をする場所には電源があるのか、借りることは可能なのかを前もって場所ごとに必ず確認しておきましょう。また、電源がすぐ近くにあるとは限りません。そのため、車まで電気を引くためのドラムリール(コードリール)や外部電源コネクターを使うと便利です。外部電源コネクターは初めから付いている場合もありますが、なければ後付けすることもできます。

注意すること

出店する場所から電源を借りる場合、場所ごとに支払う電気代は異なります。一般的には1日利用すると1,000円〜2,000円程度の使用料金がかかりますが、なかには無料で電源を使える場合もあります。また、出店料を支払う際に電気代が含まれている場合もあるため、事前に内訳をよく確認することもポイントです。

ドラムリールを用意する場合は、屋外用で電源が離れた場所でも届くように十分な長さがあるのかにも注意しましょう。

発電機で電源を使用

キッチンカーが出店する場所で電源を借りられない場合は、発電機を使えば電源を確保できます。発電機は独立した電源として活用できるので安心です。キッチンカーの営業許可は、事前に出店する場所を管轄する保健所で取得します。出店時以外の時間も冷蔵庫が使えることを条件にしている保健所もあるなど、発電機があれば営業許可を取りやすいケースもあります。

デメリット

キッチンカーの独立した電源として便利な発電機ですが、静かなエリアでは運転音が気になるというデメリットもあります。燃料のガソリンの臭いや排気ガスが発生する、発電機購入に高額な費用がかかる、機器が大きくて重いといった点もデメリットになるでしょう。

注意すること

発電機の導入にあたっては、営業に必要な電力を計算しておくことが大切です。キッチンカーで提供する商品によって、使う電力量は異なります。使用量に応じた発電機を選ぶことで、必要以上に大型で高価な機器を購入しなくて済むでしょう。

また、最新のマイコン機能搭載などの精密機器を使う場合、インバータ付きの発電機を選ばなければならない点にも注意が必要です。発電機で作った電力は家庭用とは異なるので、インバータは周波数を整えるなどして精密な家電に対応できるように変換してくれます。

走行充電器で発電する

走行充電器にサブバッテリーとインバータを組み合わせて自家発電する方法もあります。走行充電器は、車の運転中にメインバッテリーに貯まった電気をサブバッテリーへ流すための機器です。メインバッテリーだけの場合、スマートフォンの充電などには使えますが、多くの電力量が必要なキッチンカーには向いていません。サブバッテリーがあれば、エンジンを止めても貯めておいた電気が使えます。また、走行充電器とサブバッテリーを導入する際には、直流電流を家電に対応できる交流電流に変換するインバータも必要です。

デメリット

走行充電器で自家発電するデメリットは、導入費用が高額であることや機器を設置するスペースが必要になる点で、機器の重さも気になるでしょう。サブバッテリーの蓄電容量も、提供する商品によっては足りなくなる可能性があります。

注意すること

走行充電器やサブバッテリーなどで自家発電の仕組みを作る際には、安全性に配慮して専門家に接続を依頼することをおすすめします。接続のための部品はインターネットでも簡単に入手可能です。ただし、専門知識がない方が使うと正しい接続ができない可能性もあります。正しく接続していればキッチンカーを運転中に揺れても問題ありません。しかし、接続が正しくないと火災につながる恐れもあるので注意が必要です。部品も併せて依頼できる専門家に依頼しましょう。

ポータブル電源を利用する

キッチンカーの電源確保には「ポータブル電源」を利用する方法もあります。出店する場所によっては発電機が禁止されている場合もあるので、簡単に持ち運びできるポータブル電源を用意しておくと良いでしょう。

ポータブル電源には「コンセント」「ソーラーパネル」「シガーソケット」という3種類の方法で充電する製品があるので、ニーズに応じて選べます。営業前にあらかじめ充電しておけば、出店先で簡単に使うことができる電源です。出店先の車内でもシガーソケットから充電できるので安心できます。

デメリット

ポータブル電源は便利ですが、電子レンジなど高電圧の調理器具を続けて使うことができないデメリットがあります。ポータブル電源は短時間だけ家電を使いたい場合に向いています。消費電力が小さい機器にのみ対応しているというデメリットを理解してから使うようにしましょう。

注意すること

ポータブル電源は照明などの低電圧のものには対応できます。しかし、電力の容量が少ない製品の場合は、高電圧の機器を連続使用できません。大容量のポータブル電源を購入する場合は、容量に比例して高額になる点にも注意が必要です。

走行中も冷蔵庫を稼働し続ける方法

キッチンカーで提供する商品によっては、車が走っているときにも冷蔵庫を稼働させ続ける必要も出てきます。その場合は「車載用冷蔵庫」を活用すると良いでしょう。シガーソケットやコンセントなどから充電できるので便利です。

車載用冷蔵庫の導入が難しいなら、要冷蔵の食材をクーラーボックスや発泡スチロール箱で保冷する方法もあります。基本的には、ポータブル電源や独立したバッテリーシステムを導入する方法がおすすめです。

出店しない日の電源は？

キッチンカーで出店しない日には、食材が入っている冷蔵庫をどうすればよいのかが気になります。コンセントから電源を供給するタイプの冷蔵庫であれば、自宅に運んでおくことが可能です。しかし、バッテリーに接続するタイプやキッチンカーに備え付けてある場合などは移動ができません。その場合は、いったん冷蔵庫の中身を自宅の冷蔵庫に移して保管するのがベストでしょう。

キッチンカーの電源確保は、基本は出店・営業先での現地調達です。出店する際は、まず電源を借りることができるのか確認することが必要です。現地で電源を借りることができない場合もあるので、発電機やポータブル電源など、自身で準備ができるようにしておくことも必要になります。